井の頭公園でお花見失敗|娘と駆け抜けた春のひととき

井の頭公園で人の波にのまれた日
春の休日、娘とふたりで井の頭公園に花見に出かけた。
しかし、目に飛び込んできたのは、想像以上の「人・人・人」。
気持ちが一瞬ひるむも、なんとかレジャーシートを広げる場所を確保し、ようやくひと息ついた。
娘はマクドナルドのハッピーセットを嬉しそうに頬張る。パンケーキのセットをぺろりと平らげて、満足げな顔。
食後、「次はボートに乗りたい!」
この混雑ぶりでは難しいだろうと内心思いながらも、せっかくの希望をむげにはできず、ボート乗り場へ向かう。
しかし、予想以上の行列。
1時間以上は待ちそうな雰囲気にさすがに無理だと判断し、やんわりと伝えた。
娘の表情が曇る。
テンションは急降下。
混雑で大人の自分ですら疲れているのだから、娘にとっては尚更だろう。そこで気分転換を狙って「サーティーワン行ってみる?」と提案すると、「行く!」と元気に返事。でもそこにもまた長蛇の列…。
荻窪で見つけた、ほんとうの「休日らしさ」
今日の吉祥寺は、正直しんどい。
気分を変えるために荻窪へ移動することにした。
タウンセブンの屋上は、ほどよく賑わっていて、ようやく落ち着ける空気感。娘ものびのびと遊び、僕自身もようやく「休日らしい」気持ちを取り戻せた気がした。
そのあと、そこから歩いて10分くらいの「銭湯 Gokurakuya」へ行ってみた。
はじめて訪れた場所だったが、リノベーションされた館内は清潔で居心地がよかった。風呂上がり、ふたりで飲んだ冷たいジュースがやけに甘く感じられたのは、きっとこの一日分の疲れと、小さな満足のせいだろう。
2階に広々としたラウンジもあり、人も少なく、やっと「今日は来てよかった」と素直に思えた。
最後の小さなハプニング
夕食は自宅で蕎麦を食べることに。
帰り道にスーパーへ立ち寄り、天ぷらを買おうと会計をしようとしていたとき、
「お父さーん!」
少し離れた場所から聞こえた声には、涙が混じっていた気がする。
声の方を向くと、娘が心細そうな顔で立ち尽くしていた。
私が先を歩いてレジに向かって曲がったのだが、よそ見をしていたのか、それに気が付かず、どんどん前に進んで行ってしまったらしい。
この日、ボートには乗れなかった。
アイスを買うのにも並んだ。
銭湯は予想以上に快適で良かった。
そして、最後に迷子になりかけた。
ほとんどが予定通りにはいかなかった。
おかげで、今日はなんだかぐっすり眠れそうだ。