中野セントラルパークでパン食べ過ぎても、自転車練習がんばる

「いっぱい食べたね」「今日はよく食べたな」──そんな何気ないひと言の奥に、実は親として見逃してはいけない大切なサインが隠れているのかもしれない。

子どもがよく食べる日。
それは、単なる「好きなメニュー」や「お腹がすいてた」だけではない。
そこには、“今日という日の心の調子”が、静かに現れているような気がした。

🎧ブログの出来事をそのまま音楽にしました。 曲はこちら ↓

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パスタもパンも、心にすっと入っていく日

その日、娘とふたりで向かったのは中野セントラルパークにある「鎌倉パスタ」。
広い窓から降り注ぐ光、ゆらぐ新緑。都心の真ん中とは思えない静けさに、気持ちがすっと落ち着く。

娘が選んだのは、以前に私の皿から一口だけもらって気に入っていた「ジェノベーゼ」。
そのとき、「つぎは これ たべる!」と目を輝かせて言っていたのを思い出す。

そして、その約束通りに自分で選び、迷いなく注文した。
こういう“小さな記憶”が実を結ぶ瞬間は、親としてじんわりと嬉しい。
パスタをフォークでくるくる巻いて、ひと口。またひと口。

焼きたてパンができたという合図のベルが鳴ると、「おとうさん、パン もってきて!」と満面の笑み。
私はパン取り係。娘はパン5個をペロリ。
パスタも、もちろん完食だった。

普段はそこまで食べるタイプではない。気分が乗らないと、1個のパンですら「もう いらない」なんてこともある。
だからこそ、この日は“食欲”というより、“心の元気”がしっかりと感じられた。

「好きなものを、たくさん食べられる日」は、体調だけじゃなく、心の調子がいい日でもある。
そんなふうに、食べっぷりに“感情のエネルギー”がにじむ瞬間を、私は最近、少しずつ読み取れるようになってきた気がする。

絵本『おかあさん、ごめんなさい』で泣きそうになる

その後向かったのは、「絵本ラウンジLOOPなかの」。
我が家はここによく来るので、年間パスを持っている。

今回はヨシタケシンスケさんの絵本を中心に、娘と一緒に7〜8冊選んで、ソファに並んで読み合った。
そのなかで、ふと目に入った『おかあさん、ごめんなさい』(なかにし たつや/岩崎書店)。

なんの気なしに手に取った絵本だった。
でも、読み進めるうちに、胸がじんわりと締めつけられる。

「ごめんなさい」が言えなかった日。
親の愛情が、わかっていても伝えられなかった日。

──そんな記憶が、自分の心のどこかから浮かび上がってくる。
物語の中の親のセリフや、子どもの思いが、今の自分と娘の関係に重なるようで──危うく、涙がこぼれそうになる。
でも、泣くわけにはいかない。目の前に娘がいるから。

「おとうさん、つぎは これ よんで」と無邪気に言うその顔を見ながら、ぐっとこらえる。
大人になってから絵本を読むと、想像以上に“刺さる”ことがある。
特に、自分が親になってから読むと、「これは、子どもに向けて書かれた本じゃなくて、むしろ親のための本なんじゃないか」と思うくらいだ。

自転車練習と、寒空と、心が折れそうな瞬間

午後は、電車で原宿へ移動して、代々木公園へ。
前回、娘がペダルをこげるようになったので、その成果をもう一度確認したくて、自転車を持っていった。

ところが……今日は、進まない。
ペダルが重いのか、うまく漕ぎ出せない。

「なんか、すすまないよぉ」と、すぐに弱音。
確かに、古い自転車だったし、整備も万全じゃなかった。

でも、理由はそれだけじゃない気がする。
「今日は無理かもしれないな」と、私の心にもよぎる。

それでも、「もう一回 やってみる?」と聞くと、小さくうなずく。
仕方がない。ならば、後ろから支えるしかない。
ペダルを踏み出すたびに、私は背中を支え、倒れないようにバランスを取る。

20分程度の練習。それでも、走りながら支え続けるこちらは全身がじんわりと疲れる。
そして、寒い。身体の芯が冷えてくる。
「これはもう、風邪ひくかも」と思うくらい、指先がしびれていた。

自転車は進まない。
でも、なぜか私は諦められなかった。
「今日は練習やめよう」と言うこともできた。

けれど、その選択をしたくなかった。
今日の娘は“よく食べた日”だった。
心が元気な日に、「できなかった」で終わらせたくなかった。

おかげで、寒い。
寒空の下で汗をかき、身体の芯が冷えていく感覚・・風邪ひきそう。

さあ、すぐ銭湯に入って温まらなくては・・(続く)

寒い日の自転車練習チェックリスト 📝

寒空の下での自転車練習。風邪をひかないように、我が家ではこんな工夫をしています。

🧤 手袋は必須。ペダル練習でも冷える
🧣 ネックウォーマーやマフラーで首元保温
🧴 ハンドクリームで手荒れ対策(地味に喜ぶ)
🚲 自転車の空気チェックは前日に!
🍫 練習後は甘い飲み物やおやつで気持ちを回復
♨️ そして最後は……銭湯へ!(うちはこのパターン)

(おまけ)よくある3つのナゾ

子どもがたくさん食べる日は、どんな日?

好きなメニューに出会えた日だけでなく、心が穏やかで満たされている証拠かもしれません。食べっぷりには、感情の元気さも表れます。

大人が絵本で泣きそうになるのは変ですか?

まったく変ではありません。絵本は、大人の心にもそっと触れてきます。特に親になってから読む絵本は、驚くほど深く刺さることがあります。

自転車練習なのに、なぜかこっちが筋肉痛になるのは?

教えてるのに、走ってるのも、汗かいてるのも、なぜか親。自転車より先に、親の体が限界に達する仕組みです。

ふりかえりと、すこしだけ心のメモ

この日は、娘の元気な食べっぷりに始まり、絵本での感動、自転車練習の冷えまで、いろんな「温度」を感じた1日だった。あらためて思う。よく食べるって、それだけで“心が元気”なサインなんだと。親として、そのサインにちゃんと気づける目を持ち続けたい。次は、自転車がスムーズに進む日が来ることを願って──。

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