5歳の娘が準備したひな祭りパーティー記録

ひな祭りの日、娘はずっと楽しみにしていた“パーティー”のはずだったのに、最初にこぼれたのは笑顔ではなく、涙だった。
理由はシンプルだけれど、感情はとても複雑。
思い通りにいかなくても、そこに“想い”があるなら、それは大事な時間だった。

🎧ブログの出来事をそのまま音楽にしました。 曲はこちら ↓

目次

娘の「やりたい」が詰まった、ひな祭りパーティー

理由はシンプルで、彼女が前からずっと楽しみにしていた「ひな祭りパーティー」が待っていたからだ。
前日には、家のテーブルに自ら皿を並べて「パーティーの準備!」と張り切っていた。

その光景がずっと頭に残っていて、今日は一緒に楽しもうと僕自身もどこか浮き足立っていた。

家に着くと、雰囲気はすでに“パーティー風”。
妻が買ってきたお寿司が並び、保育園で作ってきた雛人形もテーブルに飾られている。
さぁ、いよいよパーティーだ!という空気だった。

でも——なぜか、彼女の目からぽろぽろと涙がこぼれた。

「こんなのじゃない……もっとたくさん、パーティーみたいにしたかった」
「保育園で、もっともっと絵を描けばよかった……」

自分でも楽しみにしていた分、期待がふくらみすぎていたのだろう。

きっと保育園でみんなに話してしまった分、「ちゃんと成功させたい」という気持ちも強かったのだと思う。

私と妻は慌てて声をかける。
「めちゃくちゃパーティーっぽいよ!」
「すごい楽しい感じになってる!いいじゃん!」
なんとか気持ちを立て直してほしくて、思いつく限りの言葉で励ました。

どんな言葉を伝えても泣き止むことなく、彼女はちょっとした“トランス状態”に入った。
きっと、彼女の中には「理想のひな祭りパーティー像」があったんだろう。
しかもその理想を、保育園の友だちにも話してしまっていたから、気持ちはなおさら高ぶってしまったようだ。

思い通りにいかなくても、心から味わえた時間

僕たちは、家にあったお菓子を無造作にたくさん並べて、雰囲気を盛り上げてみた。
「うわー楽しいパーティが始まりそう!いいぞいいぞ!」

彼女はしばらく不機嫌そうだったけれど、少しずつ表情が戻り、パーティーがなんとかスタート。

自分で考えて、自分で準備して、自分で期待して。
でも、その通りにはいかなかった。
そんな悔しさが、彼女の涙になっていたんだと思う。

全部食べ終えたあと、ふと彼女に聞いてみた。
「明日、保育園で今日のこと話す?」

僕が「大成功だったって言えばいいんじゃない?」と声をかけると、
彼女は少し間をおいて、こう返してきた。
「大成功じゃなかった。最初泣いちゃったし」

——ちゃんと、評価してるんだなぁ。

うまくいかなかったところも、自分で認める姿勢。
大人でもなかなかできない。

来月は、つばめ組への昇任パーティーをしたいらしい。
どうやら、毎月なにかしらのパーティーが続きそうだ。

なぜ泣いたのか?“がっかり”の理由

この涙は、ただのワガママではなかった。
前日からの準備、自分の中で描いた“理想のパーティー像”、

そしてそれを保育園の友達に話してしまった手前、「ちゃんと成功させなきゃ」という使命感。
それらが重なった結果、「うまくいかなかった」と思った瞬間に、感情が溢れたのだと思う。

親としては、「ここまでやったのに」と思ってしまいそうになるけれど、
そこはグッとこらえて、共に寄り添う時間に切り替えた。

(おまけ)よくある3つのナゾ

子どもがイベントで泣いてしまったとき、どう対応すれば?

期待が大きい分、気持ちが崩れることもあります。まずは「その気持ち、わかるよ」と受け止めること。否定せず、寄り添うことが一番のサポートです。

家庭での季節イベント、どう盛り上げたらいい?

子どもに役割を任せて「一緒につくる楽しさ」を大切に。お菓子や飾り付けも、“ちょっとやりすぎ”くらいが子どもには嬉しいポイントです。

毎月パーティーしたいって、どうするの?

やりましょう。毎月じゃなくても、“今日は〇〇パーティー!”と言い張れば、いつものごはんも特別になります。ネーミングがすべてです。

ふりかえりと、すこしだけ心のメモ

「ちゃんと大成功じゃなかった」——と彼女が言った言葉が、ずっと胸に残っている。
楽しいだけじゃない、涙もこぼれる日だったけれど、

その“がっかり”をきちんと受け止めて、自分で評価していた。
親はつい、笑ってほしくて、なんとか立て直そうとしてしまう。

でも本当は、うまくいかない日を「そのまま味わうこと」も、子どもにとって大切なのかもしれない。
そして僕たちも、「理想を描いて挑戦した」ことに拍手を送ろう。

目次