「キャメルって、言ったら喜ぶかな?」
昨日の夜、妻と台所で話していたときのこと。
「ねえ、(娘)がランドセルの色、キャメルがいいって言ってたよ」
「え、キャメル?ピンクとか紫じゃなかったっけ?」
ランドセルの話は、これまでにも何度か出ていた。
白って言っていたこともある。パステルカラーが好きだって言ってたこともある。
でも、「キャメル」は初耳だった。
そのとき、私がふと漏らした一言がある。
「それってさ…いわゆる親への“忖度”ってやつじゃない?」
「親が喜ぶ色を選んだら、結局ほんとうに欲しかった色とは違った」っていう、あのCMを思い出して。
「確かに…ありえるね」
妻も納得するようにうなずいた。
「ランドセルの色、もう決まったの」
その夜、娘と風呂に入っていたときだった。
頭を洗いながら、娘がふいに言った。
「ランドセルの色ね、もう決まったの」
「へぇ、そうなんだ。何色?」
「キャメル!」
──また出た。やっぱりキャメルって言ってる。
これはもう一過性の気まぐれじゃなさそうだ。
「なんでキャメルがいいと思ったの?」と聞くと、
「ピンクとか紫もかわいいと思うけど、キャメルがいいの」
すぐに答えが返ってきた。
ただ、それだけじゃ引っかかってしまう。
私は思い切って、ずばり聞いてみた。
「ねえ、それってさ……お母さんが喜ぶと思って言ったんじゃなくて、本当に自分がいいと思って選んだ色なんだよね?」
娘は、迷わずはっきり言った。
「そうだよ」
その言い方が妙に真剣で、思わず胸の奥にふわっとした温かいものが広がった。
ああ、本当に自分で決めたんだなって。
憧れの子が背負っていた、あの色
「◯◯ちゃんもキャメルだったし」
◯◯ちゃん──保育園で仲良くしていた、一つ上のお姉さん。
娘にとっては、ちょっと憧れの存在だったような気もする。
「いつ会ったの?」
「ん〜、小学校行ってすぐくらいに、保育園に来たの。ほかにも何人か来てたよ。ピンクは一人しかいなかったかな」
なるほど、そういうことか。
小学生になった子たちがランドセルを背負って保育園に顔を出しに来た。そのとき見た、キャメルのランドセルが、とても“かっこよく”映ったのかもしれない。
その子が背負っていたキャメルが、娘にとっての“未来のかたち”として、目に焼きついたのだろう。
子どもって、見てないようで、ちゃんと見ている。
そして、「あれがいい!」っていう直感を、大人よりずっと素直に信じている。
「誰が決めたか」が、いちばん大事
ランドセルは6年間、毎日背負うものだ。
でも、それ以上に大事なのは「自分で選んだ」という実感。
たとえ後から「やっぱり水色がよかったかも」と思ったとしても、「でも、あのとき自分でキャメルにしたんだ」って言えるなら、それが何よりの“誇り”になる。
色がどうこうより、そこに“選んだ理由”と“自分なりの納得”があるかどうか。
だから、「ランドセルは娘が自分で選ぶ」ということを決めている。
しっかりと「天使のはね」のCMに影響されている自分がいる。
ランドセル選びのチェックポイント
ランドセル選びは、親も子も意外と悩む。
以下は、実際に選ぶ際に確認しておきたいチェックリスト。
✅ 色は“親目線”と“子ども目線”の両方で確認
→ 写真だけでなく、実物を見て印象が変わることも。
✅ 素材や重さは試着して確かめる
→ 軽いモデルも増えているので、背負いやすさは重要。
✅ 6年間使うことを想定して選ぶ
→ 教科書の厚さや収納力も確認。「A4フラット対応」はほぼ必須。
✅ 保証内容や修理対応もチェック
→ メーカー保証が6年間ついているかも要確認。
✅ 家族の予定も早めに調整を
→ 人気モデルは秋前に売り切れることも。カタログ請求は早めに。
(おまけ)よくある3つのナゾ
まとめ:どんな色でも、本人が選んだ色なら
たぶん、これからも娘の「好きな色」は変わるかもしれない。
来週には「やっぱり水色にしようかな」なんて言うかもしれない。
それでも、「あなたが自分で決めたランドセルだよ」と言えるように。
そう思って、できるだけ見守っていきたい。
何色であっても、それが“本人の選んだ色”なら、それがいちばん素敵だと思うのだ。