娘の1日プランに全力で付き合ったら学びがあった

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「どこ行きたい?」から始まる、5歳の自由な一日

日曜日。
今日は私が“娘の当番”。
5歳の娘が「いろいろ行きたいとこがあるの」と言うので、朝からそのプランに全力で付き合うことにした。

最初は「ただの散歩」程度の気持ちだったが、蓋を開けてみれば、絵本7冊、3つの公園、美容院、水遊び、そしてガリガリ君…。気がつけば、自分の休憩時間なんてほとんどなかった。

「今日は、わたしの行きたいところにする!」

朝、「まず、絵本をよんでからかえさないといけないの」と娘。

家にある図書館の絵本を7〜8冊、音読リレーのように読みあい、すっかり眠くなって30分ほどお昼寝。
すでにスタート地点で体力ゲージが半分削られた感覚がある。

その後、「つぎはね、こうえん!」とのこと。向かったのは、保育園近くの小さな公園。

…が、蚊の量が尋常じゃなく、即撤退。

次に向かったのは、前から「いつか行きたい」と言っていた別の公園。
だが、いざ来てみると、何をするでもない。
糸電話を少しやってみたものの、盛り上がりきらず終了。

もしかしたら、彼女の頭の中では“公園=友達と一緒に行って楽しい場所”というイメージなのかもしれない。父親ひとりじゃ、やっぱりテンションが上がらないよな。

「おなかすいた!」で、はま寿司へ。からの、まさかの美容院

公園をはしごした後、近くの薬局で虫除けスプレーを購入。

「おなかすいた〜」と指名されたのは、なぜか“はま寿司”。昼からしっかり回転寿司。好きなだけ食べたあとの満足げな笑顔がまぶしい。

その後、またさらに別の公園へ。ブランコとすべり台に全力投球。

…と、突然「かみのけ、きりたい」と娘。

一応髪を切っても良いものか妻に電話してみる。
なかなか出ない。LINEしても既読すらつかない。
もう一度電話するとようやく出て娘が話していたが、妻が何かぶちぶち言っていたようで、突然、娘が電話を切った。

「それ、あとであやまる?」と聞くと、「あやまらない!」と笑っていた。
たぶん“いまは自分の時間”という強い意思だったのだろう。

一丁前な注文と、濡れたズボンの帰宅劇

なんとか当日予約が取れた15時。美容院へ向かう。これまでずっと行っていた美容院が移転したとのことで、初めての場所だったが、時間前に到着。店長ひとりで切り盛りしていて、ちょっとバタついている様子。

「かたのここまで!」「まゆげがかくれるくらい!」「ここのかみが、こっちにくるから、きって!」
もう、こだわりが一人前。

でも、それに店長が「はいはい、わかったよ〜」とテンポよく応えてくれて、10分で仕上げてくれた。
満足げに鏡を見て、にっこり。

帰り際に店長から「実は、娘さんに言われたこの箇所は、切ってません。切ったらバランス悪くなるので。本人は気づいてないです(笑)」とこっそり言われたのが、ちょっと笑えた。

アイスと滝と…びしょびしょパンツ帰宅

最後は、蚕糸の森公園へ。途中、ガリガリ君を買って、歩きながら一緒にかじる。
園内の滝の前でアイスを食べる時間は、思いのほか静かで心地よい時間だった。木陰に吹く風、ちょろちょろと流れる水の音。

そして、公園内の小川を見つけて「はいりたい!」と。サンダル&半ズボンだし「まあいいか」と許可すると、案の定、

「ぎゃーーー!!」

数分後には、全身右半分ずぶ濡れ。まるでスローモーションのように転倒していた。
ズボンも絞れるほど濡れたので、仕方なく家に帰ることに。濡れたズボンを脱がせて、パンツ一丁で自転車に乗せる。途中、娘が自分で「なんか、はずかしい〜」と笑いながら言っていたのが、今日一番楽しそうだった。

「自分で決める」をまかせる練習

振り返ってみると、ひたすら「娘の決定」に従って動いた一日だった。
大人が主導するのをやめて、選ぶ・伝える・決めるを、すべて本人に委ねる。すると、不思議なほど娘は“しっかり者”になる。

美容院でも、水遊びでも、彼女なりの基準と判断で動いていた(しかし、失敗多数)。
親の想像より、ずっとちゃんとしているのかもしれない。

「どこ行く?」「つぎはなにする?」と投げかけながら、一歩下がって見守る。
その“まかせる時間”が、少しずつ子どもの「選ぶ力」を育てているのだと感じた。

(まだ続く)

親子で動く日に必要なチェックリスト

  • 🧒 絵本を読むときは“音読リレー”で一緒に読む
  • 🌳 公園2〜3か所は想定しておく(蚊・日差し対策も)
  • 🍣 ごはんは希望を尊重する(急な“寿司モード”あり)
  • ✂️ 美容院は前日予約がベター、急な対応はバタつく
  • 🩴 水場対策:着替え・タオル・サンダルは必須
  • 👀 “まかせる覚悟”と“こっそりフォロー”がポイント

(おまけ)よくある3つのナゾ

「子どもに選ばせると、グダグダになるんじゃ?」

あるあるですが、意外と“決定権”をもらうと子どもは慎重になります。「どっちでもいいよ」と言うときもあるので、選択肢を2〜3個に絞って渡すのがコツ。

「美容院で子どもがうまく伝えられないときは?」

事前に「こう伝えたらいいよ」と練習しておくと安心です。美容師さんとのやりとりも、社会性を学ぶチャンスになります。

「パンツ一丁で自転車って、ちょっと…」

ええ、わかります。でも暑い日なら「これはこれでアリか」と思えてしまうのが子育ての妙。ご近所さんには見なかったことにしてもらいましょう。

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