「みんなとあそんでるのに…」とつぶやいた日
「◯◯ちゃんはね、◯◯ちゃんとか、◯◯くんと公園であそんだんだって」
夕飯のあと、娘がふと口にした言葉。
彼女の言葉には、少しの羨ましさと、ぽつんとした寂しさが混ざっていた。
「わたしは、行ったことないの」
そのひとことが、胸に引っかかった。
彼女は「仲間はずれ」になっているわけではない。
「みんなとなかよしだよ」と笑顔で言っていた。
だけど、話題に乗れないことが、今の彼女にとっては、ちょっとした“置いてけぼり”なのかもしれない。
子どもは遊びたい。親は・・・しんどいよね?
正直に言えば──しんどい。
土日くらいはゆっくりしたい。誰かの家に行くとか、公園で待ち合わせとか、予定を組んで連絡して、相手の親とやりとりして……。
無理だ。
少なくとも、自分ひとりでは無理だ。
娘の「遊びたい」はわかる。
でも、親がそれに全部応えていたら、こちらの気力が先に尽きてしまう。
そもそも、自分が子どもの頃は、親同士で連絡を取るなんて一切なかった。小学校に入れば、勝手に友達と遊んでいた。それで十分だったし、楽しかった。
でも、今の時代は違う。
子どもだけで出歩かせるのが難しい、親の顔が見えないと不安、そんな時代。
だからこそ、放課後の遊びにも「親の都合」が絡んでくる。
まったく、面倒な世の中になったものだ。
「みんながやってるから」の重圧
娘の話を聞いて、思い出したのは、SNSでよく見る“保育園の放課後会”の投稿だった。
「今日は◯◯ちゃんちで遊ばせてもらいました!」
「おうちあそび楽しかったね〜!」
みんな、ちゃんとつながってる。ちゃんとしてる。
……そんな気がして、ちょっと焦る。自分は何もしていないのに。
だけど、同時に思う。
果たして、それが“正解”なのか?
自分には、自分の生活がある。
無理に交流を広げたり、付き合いを広げたりするのは、きっと長続きしない。
何より、自分が無理をすると、家の中がギスギスする。
娘の「遊びたい」は、できる範囲で叶えてあげたいけれど、「親の体力」も大事にしたい。
無理せず、比べず、我が家のペースで育てていく
「うちはうち、よそはよそ」
そう言い聞かせながら、内心どこかで「よそ」が気になってしまうのが、親という生きものかもしれない。
でも最近は、本気で「それでいい」と思えるようになってきた。
私の今のスタンスは、**“親の体力と気力を最優先しながら、できる範囲で子どもの願いに応える”**というもの。
具体的に言うと──
- 平日は保育園でたっぷり遊ぶ。
- 週末は、家族でのんびり過ごす。
- 誰かと約束するのではなく、そのときの気分で出かける場所を決める。
- 誘われれば考えるが、自分から誰かに声をかけてまで予定を作ることはしない。
これが、いまの私の“無理しないライン”だ。
「他と比べない育児」のメリットとデメリット
このやり方には、当然メリットもあればデメリットもある。
◎メリット
- 親の余裕が保てる
体力も気力も、限界まで使い切らずに済む。結果として、家の中に笑顔が増える。 - 子どもとの時間を「義務」ではなく「楽しみ」として過ごせる
誰かとの付き合いや送迎に追われず、ただ一緒にいることが楽しいと感じられる。 - 子ども自身が“家族時間”に安心を感じられる
「土日は家族と過ごすもの」というリズムが自然と根づき、自分の居場所が明確になる。 - 付き合いに無理がないので、長続きする
がんばりすぎない関係性は、結果的に長く安定して続けられる。
△デメリット
- 「みんなと遊んでる」会話に混ざれず、子どもが寂しさを感じることがある
話題に乗れないと、「自分だけ行ってない」という置いてけぼり感につながることも。 - 子ども同士の関係が、親の関与が少ない分だけ浅くなる可能性も
まだ「自分で約束」ができない年齢だからこそ、親のサポートがあったほうが繋がりやすい。 - 親の“安心材料”が少ない
「ちゃんと交友関係できてるかな」「誘われなかったらどうしよう」という漠然とした不安は、つきまとう。
それでも私は、“無理しない”を選ぶ
たしかに、他の家庭のように「保育園友達と休日にも遊ぶ」「親同士で仲良くなる」といった関係性があると、楽しそうにも見える。娘も、ふとした瞬間に「行ってみたいな」とつぶやくことがある。
でも、私自身がその関係性を楽しいと思えないうちは、無理をするべきじゃないと感じている。
私のエネルギーは限られているからだ。
日々の仕事で消耗し、週末はせめて気を張らずに家族と過ごしたい。
予定を詰めすぎれば、娘に笑顔を向ける余裕すらなくなる。
娘が「みんなと仲良しだよ」と笑って言ってくれる今だからこそ、無理して広げるより、深く育むことを大切にしたいと思っている。
「比較しない育児」に必要なのは、“軸”だった
「うちはうち」のスタイルは、ある意味で孤独でもある。
誰かと同じ道を歩んでいれば、安心できるけれど、「自分で決めた道」を行くには、覚悟と納得が必要になる。
だからこそ、自分たちの中に“軸”を持つことが大事だと思う。
我が家にとっての軸は、
- 子どもが安心できる空気をつくること
- 親が笑っていられること
- 誰かと比べないこと
たとえそれが“正解”じゃなくても、“うちの形”として選んだものなら、きっと大丈夫だと信じられる。
これからどうするか?──ゆるく、できることを
もちろん、子ども同士の関係も大事にしてあげたい。
そのために「3ヶ月に1回くらいは、だれかと遊べる日があってもいいかな」と、少しずつ柔軟に考えるようにもなってきた。
ただし、「こちらから動く」のではなく、「自然な流れで誘われたら検討する」くらいが、今の私にはちょうどいい。
“全部やる”のではなく、“できるときに、できることを”。
そのくらいの気持ちで、肩の力を抜いていけたら、家族みんながちょっと楽になる気がしている。
こんな時どうする?チェックリスト
忙しいパパ向けに「無理のない距離感」を見つけるヒント👇
✅ 子どもが本当に「行きたい」と思っているかを見極める
✅ 平日の遊びが足りているか、本人に聞いてみる
✅ 自分が付き添えるかどうかを素直に検討
✅ 無理だと思ったら、罪悪感を持たない(自分の生活も大事)